第 72 話

カムイ流武術伝       第 72 話

アマル様が、日向夏樹は目が覚めても起き上がることもできないって……
体のマヒ完治には1年くらいかかるそうね。
その間は僕達がしっかり介護しないとね!
……
な…泣くことないじゃん……大学は、落ち着いたらまた通えるよ。
楓だって、私達がそばにいなくても
大丈夫だよ。
そのためにお兄ちゃんは、楓に色々残していったんでしょ?
お~い日向春佳。
生活に必要なもの色々持ってきたよ~。
あ…ありがとう。
こっちから入ってもらえる?
うい。
お!目が覚めたんだ。あれ?泣いてるの?
ふ…触れないであげて。
大宇宙の真理を知れば、君も幸せに
なれるよ!はいこれ、僕が書いた入門書!
定価12,000円!!
!
やめろ強欲野郎。
金ねーしコイツ
……
しかし泣くなんて、コイツ…か弱くなったね。
アマルさんと闘った時のお兄ちゃんはイキり散らしてた時期だったから。
楓は、お兄ちゃんが元いた会社の人達とうまくやってるよ。
お兄ちゃんは治療に専念しよ……
す……
すごいわ。楓ちゃん……
うぉッ!!
社長ッ!!
な…なにアレ?立花さん何をやったの!?
田辺さん!!
田辺さん!生きてる!?
う……う~ん……
保険……見直しておくか。
それでは、氣の操作の修行を始めましょうか。初めは、突きの動きに合わせて氣を操作しましょう。
氣を自由自在にコントロールできれば、技の威力が上がる等の様々な効果が期待できます。
実戦で使えるようになるだけでも、
1年以上かかると思いますが、根気よくやっていきましょう。
お願いします!!
腕が伸びる方向に氣を流す感じで……最初はゆっくりで大丈夫ですから。
……
やっぱりすげェな……
立花さんの力や速さは、運動が得意な一般の人程度だった。身体能力だけなら俺達の方が圧倒的に上だ。
だけど全く敵わなかった。
あれが力や氣を鍛えるだけじゃたどり着けないレベルか……
た……立花さん、俺にも指導を頼むよ。
あッ!タ…タナ……タナベ(だっけ?)さん。さっきは、すみません。
あの、無理はしない方が……
もう平気だよ。それに、じっとしてられないんだ。
田辺さんったら熱くなっちゃって。ガンバ!
氣は、もっと前に突きだした方が……こんな感じで。
他人の氣も操れんのかよ!?
すげェな……
あ、そうだ!楓ちゃんに相談があるんだけどね……
日向さんの修行方法を私達以外にも広めたいと考えているんだけど、楓ちゃんは、どう思う?
え?
あ~そうそう。下手に修行方法を広めるとさ、悪用されるんじゃないかって、私達でも意見が別れているんだよね。
先生がどういう意図で皆さんに修行の仕方を教えたかわかりませんが……
先生が良いって言っていたなら、広めちゃっても良いと思いますが……
それに悪用するにしても今回の修行のように、指導者がいないと難しいものがありますから……
未熟な武人じゃ修行方法を知るだけでは、限界があると……
はい。
裏を返せば、良い武人に広めようとしても、指導者がいないといけないわけか。
そうですね。
でも皆さんがある程度修行すれば、他の武人に指導できるようになると思います。先生もそのつもりなのかと……
じゃあ、それで田辺さん達が日本の武人を強くできたら、楓ちゃんは日本中の武人の師匠になるわね!
いや……私も先生のおかげで強くなれたわけですし……
そうか……
先生が教えてくれたことを他の誰かにも伝えるって考え方もあるのか……
私は弱い自分が嫌だったから、先生の弟子になった。
そして先生と春佳さんのおかげで強くなれた。
強くなりたいと思っている武人に先生の教えを伝えたり……
それ以外の人にも、
ある程度自分の身を守る方法を伝えれば、世の中は良い方向へ向かうのかも。
立花先生!氣の動きを見てくれる!?
あ……はい。
まぁ所詮は思い付きだけど、ちょっと心に刻んでおこう。
立花楓がただの思い付きと思っていたこの考えが、後の彼女の人生に大きな影響を与えることになる。
中欧某国――
ハンバーガー2つと、あとビールを……持ち帰りできます?
できるよ。
アンタ、この辺はゴロツキのたまり場だ。もう二度と来ちゃ駄目だよ。
ハハハ…
とはいえ、メイさんは色々悪事をして国際的にも指名手配になってるから、こういう所じゃないと騒ぎになる可能性が高いんだよな……
おい、クソアマ。ヤニの匂いがスーツについたじゃねェか……
あッ!!
もぉ~馬鹿!!
スカしてんじゃねーよアマ……俺達はもう50人は殺してんだ。今更1人増えても、何も思わねェ。
お姉さんピーンチ。
ピーンチなのはアンタらだよ!!今、銃を突きつけてる人は百単位で殺してんだよ!!
……
ダメダメ!
もうこれ以上面倒を増やしたくないです!!
悪かった……とっとと失せるから許してくれ。
……
飯は買ったか?
はい。
クソアマが……このクレイジー・ドラゴン様に背を向けんじゃねェよ。
……
畜生ッ!アイツ、また俺の店でやりやがった……
いきなり撃つとか!クレイジーっぷりでボスに敵う奴いないッスね。
よせやい!
……
行きましたよ。
クソッ!結構痛ェな。
あの性能の拳銃では何ともないようですね。これは良いデータが取れました。
ソイツは具体的にどんな研究してんだよ?
そうですね……
端的に言うと、「氣によるコミュニケーション」ですかね。
なんだそりゃ。
氣の動きは思考とも連動しています。武人の中にも、氣から相手の思考を大まかにですが、読み取れる人はいます。
私の友人は、氣と思考の関係性を分析して、人から人への思考の伝達に応用しようとしているんです。
友人の考察では、
氣を用いれば言語的思考だけではなく頭の中のイメージも他者へ伝達可能であるとしていますね。
は~ん。
つまり、私に相手の思考を読み取れるようになれってことか?
いえ……これはまだ研究段階なので実戦に応用するのは難しい……しかし、ある限られた条件下でしたら氣による意思の疎通は可能です。
メイさんには私と氣で意思疎通できるようになってもらいます。そうすれば戦闘において口で伝えるよりも
素早く、正確に指示が出せます。
闘ってる最中にも口出すのかよ。うぜェな。
ヨーロッパは聖堂武人団が幅を利かせてますからね。
まぁ、そんなわけで、強い武人と闘うこともあるでしょう。メイさん一人だけでは苦しい。
私は聖堂武人団に所属するだいたいの武人の闘い方を知っているので、的確な指示が出せます。私の戦術家としての腕前を信用してください。
メルセデスと闘った時みたいな感じか。
そうですね。
友人のもとには夕方には着くと思います。市街地に入る前に車を捨てましょう。どうせ盗んだものですし。
飲酒・無免許運転、窃盗、不法投棄絶対ダメだよ!
パーセル工科大学――
グレイス!アイリスです!
入れ。
久しぶりだな……アイリス。
グレイス。彼女が佐倉メイさん、
おぉ!彼女が……
佐倉メイ……君のことはアイリスから聞いているよ。あのシャルル・ド・ボーモンを討ってくれるそうじゃないか。
シャルル・ド・ボーモンは自分に協力的ではない研究者をアカデミックな世界から追放している。私も今の立場が危ういんだ……君には期待しているよ。
アイツは今や世界中の政治や経済、大学にも権威を振りかざしてるからね。
困ったものだよ……
私もできる限り君達に協力するよ。今日から私達は友だ。さぁ握手を……
……
……わからないかい ?互いの手を握り合う行為のことだよ。
……
……
アイリス……どうやら彼女とは仲良くなれないようだね。
これでも、かな~り丸くなったの !
しかし私は君に指導しなくてはならないのだよ。それには、やはり信頼関係が大事だ。
……
……
はて……アイスブレイクってどうやるんだ ?
相変わらずマイペースな人だ…
あとがき
読んでくださり、ありがとうございます。

今回は、あとがきで書くことは特に思い浮かばないッス !!

んじゃ、今後もよろしくお願いします。

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