第 75 話

カムイ流武術伝       第 75 話
ジーザァァス!!
あんな高度な技を一度聞いただけで修得したのか……
アイリスが史上最高の天才と評するわけだ。
どんなに複雑な技でも、解析してしまうアイリスの武術理論家としての才能……
そして、アイリスに教われば瞬時に技を修得してしまう佐倉メイの武人としての才能……
わかってはいたが、この天才コンビはとんでもないな……
こ…これは幻覚なのか !?クソッ!!姿が正確に認識できん……
落ち着け……冷静になって奴の技を観察するんだ。
あの技を破る方法は必ずある……
クッ!
クソッ!どこから攻撃が来るか全くわからん……
グッ…… !
……
クソォ…… !
ヤ……ヤバいよ~エリザベットがやられちゃった !!
フガガッ!
でも何度も逃げたら私達クビになっちゃうよ !彼氏無職なの~
トドメヲ !ソイツイカシテハダメ !
……
待て !殺すつもりなのか !?
勝負はついた。もういいだろう……
でも !
このままじゃ、グレイスも周りの人達も……
危険なの !!
立て……エリザベット
……!
闘え……
ちッ!!
日本からの留学生内山くん
グレイス!!
すごい…想像以上の氣当てだ!!
……
……
なんだったんだよ今のは……
あれは「恐怖の支配」
ミレディの指導を受けた武人が使用する技といいますか暗示です。闘いに敗れそうになったとき、発動します。
以前、或る一つの感情を強く持つことにより、力を上げる技について説明をしました。
殺意のみを持ち、その他の感情を捨て去る「殺意の解放」もそのうちの一つです。
そして「恐怖の支配」も…
それが発動した武人はミレディへの恐怖に感情が支配されてしまいます。
その後は脳の機能が停止つまり、脳死するまで闘い続けます。
四肢がもげようとも心臓が止まろうとも。
でもアイツは途中で気絶しちまったぞ。
おそらくミレディが隊を離れて時間が経っているので、恐怖心が薄れていたのでしょう。
しかし、それには個人差があると思います。
だからミレディの指導を受けた武人は、基本的に止めを刺した方がいいでしょう。
先程の氣当てのように周りの民間人にも危害が及びますから……
そういえばどうでしたか?カムイ流の技は……
あ?
そうだな…
確かに相手に位置や動きを読まれねェのは便利だが…
幻覚を見せた状態だと、体に力が入れにくくなるな。
相手が無防備の状態で攻撃できても連打しねェと倒しきれねェ……
なるほど。氣の操作が複雑になりますからね。それに注力してしまって、体が動かしにくくなるのでしょう。慣れの問題も多少はあると思いますが。
立花さんの場合、相手が殴った力を利用する闘い方なので、肉体的な力は必要とせず、氣の操作に集中できるのでしょうね。
この技があってもミレディって奴には勝てねェのか?
え!?
そうですね……難しいと思います。ミレディは戦闘経験がメイさんよりも圧倒的に豊富なので。
観察力も高いですからね。ミレディならその技を破ると思います。
そうか……
妙にミレディに対抗心を燃やしているな。
やはりアーサーお兄様に気があるのか?
待てよ……武聖のアーサーお兄様と天才のメイさんを交配させたら……
応援してるぜ☆姉さん!!
……?
まさに水と光の融合……水面というキャンバスに光が描く幾何模様。とても美しいと思わない ?
詩人気取り、うざッ!食べ物がおいしいなら他はどうでもいい。
つまんねェー女……
もぉッ~ !!あの二人足速すぎィィ !!
ちょッ !早速ケンカするんじゃないッ !!
あなた達のせいで逃げ出したアイリスを連れ戻さなきゃいけないのよ !?わかってるの !?
わかってるよ !
なんで私がこの子らの面倒を見なきゃいけないのよ……
パパが日向夏樹に制裁を加えたことは世界中の武人達に知れ渡ったようだ。そろそろ、アレクシス達と一緒にアイリスを連れ戻して来い。
あ……はい。
ちょ~嫌だ……
はぁ……本当に憂鬱……
あとがき
読んでくださりありがとうございます。

おまけのイラストはブライア・ハミルトン。
僕は心の中で「ブラハミ」って呼んでます。

ブライアはスタイルの良さを表現するために
時には頭身を誇張して高くしているのですが、
そのため他のキャラを同じ画面に入れるのが
難しいんですよね。そのキャラのスタイルが
悪く見えちゃうから……
まぁ、スタイル良い人と一緒に写真を撮って
「自分、顔デケェな」って思うのは
良くあることですよね ? たぶん。


ところで、本作の感想を Twitter でも
書いてもらえると嬉しいです !
モチベーションにもなりますし、
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入れてくれれば、僕が反応できるので。

でもコメントだけでも、とても嬉しいですよ !

んじゃ、今後もよろしくお願いします。

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